信用創造と言う言葉があります。
Wikipediaには、以下のような説明があります。
信用創造とは、銀行が初めに受入れた預金 の貸し付けによって預金通貨を創造できる仕組みを表す。簡易には準備預金制度のもとで、銀行のみが有する「貨幣を生み出す」機能を指し、創造される信用貨幣の量は準備預金制度に依存する。銀行が貨幣経済において果たしている重要な機能のひとつ。預金創造とも呼ばれる。
プロの正確な説明は他にいろいろあると思いますが、僕の解釈を説明します。
どちらかというと、信用創造の説明ではなくて、信用創造の仕組みを知ったときに感じる素朴な疑問に対する答えとなっています。
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まずは、信用創造のことを簡略化して説明します。
銀行がAさんに、1000万円貸しますということで、Aさんの通常に1000万円と記帳すると、銀行の預金残高が増えます。
銀行が仮に100万円しか持っていないとしても、1000万円の貸出をすることができます。
この時、900万円はとこから発生したの?という疑問が生じます。
900万円は信用創造により発生したのだよ。というのが答えとなります。
実際にはBIS規制というものによって、100万円持っている銀行が貸出できる金額の上限が制限されています。
何もないところからお金が生まれる理由
自分で働いた給料の中だけでやりくりしていると、何もないところからお金が発生するということが理解できないと思います。
銀行から借り入れをする場合、審査をうけることになります。
この審査では、お金を借りる人がお金を返済することができるかどうかを確認します。
そして、お金を返せそうな人に貸し出すことになります。
この事実を逆から見ると、
つまり、お金を発生させているのは、借りる人の信用なのです。
この人なら、ほぼ確実に返済できる。
そのことに対してお金が発生するのです。
財源は?という質問が無意味な理由
消費税増税とか減税、廃止などいろいろな意見が飛び交っていますが、減税をするという話になったとき、教育無償化や社会保障の財源は?と問題提起されることがあります。
これは、銀行の信用創造の仕組み、さらにいうと、貨幣の仕組みから考えると無意味だということがわかります。
そもそも貨幣というのは、取引が存在するから生まれてくるものです。
Bさんが今日じゃがいも1個あげるから、Cさんがお礼に来週トマト1個をあげるという場合を考えるとわかりやすいです。
Bさんは今日じゃがいも1個をCさんに渡すのですが、それだけだとお礼を受け取れないかもしれません。
なので、Bさんはトマト1個の引換券を受け取ることにしました。
この引換券が貨幣にあたります。
引換券がなくても取引は成立します。
しかし、この取引をみるとやっぱり財源がないとダメなように見えます。
それは取引するものの総量が同じだという前提があるからです。
1週間たつまでに、トマトがたくさんできてしまったから、トマト引換券1枚にたいして、トマト2個渡しても問題ありません。
そのままにしておいたら腐ってしまうので。
これができるのが政府です。
政府が10兆円札を1枚印刷して日銀の金庫に入れて、10兆円バラマキしまくるということも可能です。
これを政府通貨と言います。
それに伴って国内の取引量(GDP)が増加すれば別に問題ありません。
お金はただ単に取引をサポートしているだけなので、多めに印刷しても、取引が増えれば問題ないのです。
また、印刷すると誰かに渡さないといけなくなるので、必然的に取引が増えます。
ちなみに取引が増えると消費税も増加します。
消費税を増やしても、消費が減れば消費税収入は増えません。
お金が一番増えない行為は貯蓄です。
みんながお金を使えば巡り巡ってお金は増えるし、みんなが貯蓄すればめぐりめぐってお金が減ります。
ただそれだけのことなのです。
MMT理論という貨幣理論がありますが、これも結局は同じようなことを主張しています。
お金があるから何かできるわけではなく、何かするとお金が発生するのですが、ただ闇雲にお金を発行すれば良いということではないという、鶏と卵のような話でした。