2019年6月12日に犬、猫にマイクロチップを埋め込むことを義務付けるよう動物愛護法が改正されました。
我が家にも、猫が一匹います。
野良猫ではなく、ジモティで「猫あげます。」という方からもらってきました。
マイクロチップ埋め込みが義務化となったということで、飼い主として知るべきことを調べてまとめました。
動物愛護法の改正された内容
ニュースを見ても、情報が断片的すぎてよくわからなかったので、衆議院で審議された法律案を確認しました。
(提出時法律案なので、実際に成立した法律とは異なる部分があるかもしれません。)
注目されている内容は以下です。
-犬や猫への個体識別用マイクロチップの装着義務化。
該当する条文は以下です。
第三十九条の二 犬猫等販売業者は、犬又は猫を取得したときは、環境省令で定めるところにより、当該犬又は猫を取得した日(生後九十日以内の犬又は猫を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあつては、その譲渡しの日)までに、当該犬又は猫にマイクロチップ(犬又は猫の所有者に関する情報及び犬又は猫の個体の識別のための情報の適正な管理及び伝達に必要な機器であつて識別番号(個々の機器を識別するために割り当てられる番号をいう。以下同じ。)が電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により記録されたもののうち、環境省令で定める基準に適合するものをいう。以下同じ。)を装着しなければならない。ただし、当該犬又は猫に既にマイクロチップが装着されているとき並びにマイクロチップを装着することにより当該犬又は猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときその他の環境省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない。
2 犬猫等販売業者以外の犬又は猫の所有者は、その所有する犬又は猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならない。
自分なりにわかりやすくまとめてみます。
販売業者の場合、マイクロチップの装着は、
または、生後90日以内の犬猫を取得した場合は、生後120日まで。
マイクロチップを装着するより前に売れた場合、引き渡し前に装着。
ただし、健康や安全に問題がある場合などやむをえない事由がある場合は免除。
すでに飼っている飼い主は?
-動物虐待罪の厳罰化
該当する条文は以下です。
(提出時法律案に従って、条文を書きかえました。)
2 愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
愛護動物を殺傷した場合、懲役が二年から五年に、罰金が二百万円から五百万円に引き上げられました。
怪我をしないような虐待に関して、怪我しそうな行為は以前は含まれていなかったのですが、追加されました。
さらに、以前は、罰金刑だけだったのですが、一年以下の懲役が追加されました。
-生後56日以下の犬、猫の販売を禁止する。(8週齢規制)
関連条文は以下です。
第二十二条の五 犬猫等販売業者(販売の用に供する犬又は猫の繁殖を行う者に限る。)は、その繁殖を行つた犬又は猫であつて出生後五十六日を経過しないものについて、販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない。
附 則 (平成二四年九月五日法律第七九号) 抄
(施行期日)
第七条 施行日から起算して三年を経過する日までの間は、新法第二十二条の五中「五十六日」とあるのは、「四十五日」と読み替えるものとする。
2 前項に規定する期間を経過する日の翌日から別に法律で定める日までの間は、新法第二十二条の五中「五十六日」とあるのは、「四十九日」と読み替えるものとする。
もともと、第二十二条の五で56日と規定されていたのですが、施行日から3年間は45日、その後は49日と7週間になっていたものを、8週間に戻したということです。
ということで、すでに犬、猫を飼っている人は努力義務です。
犬猫にマイクロチップを埋める費用はいくら?
埋め込み方法は、太い注射で注入するだけです。
動物病院で、数千円から一万円、識別番号に飼い主の情報を登録するのに1000円かかります。
生後4週間程度したら、装着可能です。
マイクロチップの大きさは、直径2ミリ、長さ8~12ミリです。
猫にとってはちょっと大きいような気がします。
マイクロチップをつけるメリット・デメリット
メリットは以下です。
-猫の飼い主の証明。
-殺処分を防ぐことができる。
外猫として飼っていて、捕獲され保健所に連れて行かれた場合でも、飼い主がわかるので、殺処分されることがなくなります。
殺処分ゼロには貢献しそうですね。
今は、完全室内飼いですが、以前、外猫を飼っていたときは、稀に24時間以上帰ってこないと、親が心配で探し回っていました。
首輪も嫌がってしない猫だったので、保健所に保護されていないか、かなり心配していました。
デメリット
-本当に無害なのかわからない。
-体内で破損する可能性がある。
マイクロチップが皮膚の下で移動してしまったり、怪我で壊れたり、皮膚から出てきてしまうということもあります。
猫のケンカは激しいので。
-痛いから可愛そう。
注射するときは痛いそうです。
ただ、普通の注射よりちょっと痛い程度です。
-MRI検査で邪魔になる。
マイクロチップ周辺の画像が乱れます。
飼い主の個人情報が知られてしまうという心配がありますが、マイクロチップ自体には識別番号だけしか入っていません。
識別番号を元に、データ参照できるのは、行政施設や地方獣医師会、獣医師のみです。
ISO規格で決まっているので、技術があれば、スマホとか、普通のICタグのリーダーで識別番号を読み取ることはできるかもしれませんが、読み取った番号と紐付いたデータは動物ID普及推進会議(AIPO)のIDとパスワードがないとみれません。
マイクロチップは取り外すことができるの?
動物愛護法には以下のように規定されています。
取り外しに対する罰則はないようです。ちょっとザル法ですね。
これだとペットを捨てるときに、マイクロチップを取り外す人がでてきそうです。
マイクロチップを取り外すために、皮膚を切ること自体が違法ですが、証拠がなければどうしようもありません。
外部からデータを壊すのは難しいようです。
磁石をあてるくらいでは、データは壊れません。
まあ、ペットを捨てたい人はなんでもやると思いますが、少しでも抑止力になるとよいですね。