5月の暖かくなってきたころに、道路のコンクリートを見ると、
真っ赤な1ミリくらいの大きさの虫が歩いていることがあります。
これはタカラダニといいます。
蜘蛛ではなく、ダニの一種です。
家の中でも時々見かけます。
ダニは足が8本で昆虫ではありません。
蜘蛛に近い生き物なのでクモと間違われても仕方がありません。
ダニもクモ綱に属するからです。
クモ綱に属するものは足が8本で、クモ、ダニ以外に日本でもよく知られているのはサソリです。
昆虫は足が6本で、頭部、胸部、腹部がありますが、
クモ綱に属する節足動物は足が8本で、頭部と胸部が合着した頭胸部と腹部があります。
ダニというと、あまり種類がないように思われがちですが、
かなり多くの種類があり、生活環境も多様です。
花粉とコケを食べて生きています。
1匹見つけると、周りを探すとたくさんいます。
大量発生するのと、赤い色が特徴的です。
会社のデスクの上を歩いているのを見たことがあります。
小さい虫ですが、ダニの中では大きいものとなります。
幼虫の時には、昆虫に寄生していて、セミに赤いダニがくっついていると宝物を抱えているように見えるから、その名がついたとか、タカラダニのついたセミが、貴重だったからタカラダニという名前がついたなどと言われています。
日本国内で見られるものは、カベアナタカラダニがほとんどです。
カベアナという名前の由来は、壁の穴に住んでいるという意味ではなく、目の後ろにウルヌラという穴があるということによるそうです。
昔は、ハマベアナタカラダニだと思われていました。
春になるとハマベの石の上で走っている赤いダニとまちなかにいる赤いダニが同じものだと思われていたのですが、
別の品種だということがわかり、カベアナタカラダニと名付けられたそうです。
また、メスしか発見されていないことから、単為生殖ができると考えられています。
オスをみたことがないのに、メスだとわかる理由が気になります。
子供を生むからでしょうか。
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タカラダニに害はあるの?
こんなに身近な生き物なのに、タカラダニの生態はよくわかっておらず謎がおおいです。
アメリカで似たような虫が噛んだという報告がありますが、
日本国内でタカラダニが噛んだり、刺したりしたという明確な事例は報告されていません。
被害があるといえば、気持ち悪いという訴えがあるていどです。
屋内に入ってきたりすると、ちょっと気分が悪いです。
特に害は無いのですが、駆除することが多いと思います。
ただ、潰すと、体液が出てくるので、アレルギー反応を起こす可能性があります。
症状としては、肌荒れ、湿疹等です。
また、赤いので布団など、布の上でうっかり潰してしまうと赤いシミになってしまいます。
タカラダニの駆除方法
タカラダニの駆除方法は、屋外の場合、水で流したりします。
室内なら殺虫剤を使うことが多いです。
梅雨の前の時期に見られ、駆除せずに放っておいても、卵を産んだら、いつの間にかいなくなってしまいます。
発生を未然に防ぐ予防策のようなものはとくにありません。
残留性のある殺虫剤を、発生して欲しくない場所に噴霧しておいたり、
まめにチェックして、見つけたらすぐ駆除するくらいしかありません。
殺虫剤はダニコロパースプレーがおすすめです。
花粉とコケが餌なので、餌をなくすとよいです。
花粉は目に見えないので水で流したりするしかありませんが、
コケを見つけたらとればよいです。
防水塗料をコンクリート塀に塗っておくと効果絶大です。
特に産卵場所となりやすい、ひび割れや亀裂、つなぎ目の部分に塗っておくと良いです。