インフルエンザなどの伝染病で、感染拡大を防ぐためには無症状の人たちも含め、
全ての人間の検査を実施したほうが良いのではないか?
そいうった意見を聞くことがありますが、本当にそうなのか?
ちょっと考えてみました。
検査の制度が100%の場合は、全員検査することが効果的だというのは想像できますが、
実際には、検査の精度は100%ではありません。
感染していても、検査で陰性になってしまったり、感染していないのに検査で陽性になってしまう偽陽性という問題があります。
無症状の人たちを全員検査してはいけない理由
「レゴ(LEGO) クラシック 基礎板 <ブルー> 10714」という商品と使って視覚的にわかるように説明します。
この基盤にはポッチが32×32=1024個あります。
この一つ一つを人間とします。
全人口の0.1%感染者がいるとします。
感染者の数が少ないので、わかりやすくするため、検査によって感染者が陽性になる確率は100%とします。
実際には、100%になりませんが、
今回が偽陽性の問題を考えるので問題ないと考えます。
偽陽性=感染者ではないのに感染者だと判定されてしまう確率を1%とします。
以上の条件で、レゴの基盤にブロックをはめてみます。
まずは、感染者をつけます。
緑の葉っぱみたいなのが感染者です。
この状況で全員検査するとこうなります。
緑の葉っぱは陽性になり、他に10人陽性になります。
全部で11人陽性なのですが、実際には患者は1人だけです。
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今回の例は、感染者は100%、非感染者は99%というかなり高い精度の検査を想定して考えました。
にもかかわらず、実際の感染者の10倍の非感染者が、感染者の疑いがあるということになってしまいます。
このように、単純に全員検査したほうが良いということにはならないということがわかります。
算数が得意な方は、次のYoutubeの動画で数式でスッキリ理解することができます。
検査精度が99.9%、全人口に対して患者が0.1%いるとしたらあまり問題ないかもしれないけど、
検査精度が99%、全人口に対して患者が0.1%なら検出される患者数は実際の10倍程度になってしまいます。
無症状で検査陽性の場合、感染者と判定してはいけないはずですが、実際には多くのニュースで無症状感染者が報じされています。
何が正しいのかよくわかりません。